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2013年10月17日 (木)

釣手?引手?

 自分に柔道を教えて下さった中学の先生は、初心者で試合でもなかなか勝てなかった自分にこう教えて下さりました。

 

 「柔道は引手が一番重要だ。引手が強く使えるようになると、技のキレが格段に上がり、試合で決める技にすることが出来る。引手を意識して柔道しろ。」

 

 と。自分は今もその言葉は覚えているしその通りだと信じています。もちろん3兄妹もその言葉通り、それぞれの効き手が引手となるように右組みと左組みになっています。左利きの男2人は右組み、右利きの娘は左組み・・・といった具合です。

 

 再び子供のお陰で柔道に携わるようになり、丸岡スポ少の監督はこう教えて下さりました。

 

 「自分は完全に釣手柔道。釣手が使えないと何もできない。Y章などはまさに典型的な釣手柔道。」

 

 と。最初自分は、Y章の強さの秘密は、引手の強さが一番の秘密だと思っていましたので、ある意味先生のお言葉は以外でもありました。しかしそういう視点から何度かY章の柔道を見てみると、確かに釣手の使い方が上手く釣手で相手を投げている試合ばかりのように感じます。大外刈りや内股などはまさに釣手で相手を投げる技で、Y章は前襟を持ってもしっかり投げ切れる技を持っていますし、逆に釣手を離して投げる技は一度も見たことがないほどです。また、Y章が何もできずに旗で負けた試合を一度だけ生で見ましたが、その相手選手は、年上で実力もかなりの選手でしたが、試合中Y章の釣手を徹底的に封じており、その対策が功を奏してY章を完封していたように思います。

 

 3兄妹の長男などは組み手が非常に下手なこともありますが、どちらかというと引手を使った柔道のように感じます。得意な背負いなども、引手で相手をコントロールして投げているような感じがします。まあ技の種類にもよるのかもしれませんし、両手を持って投げる以上、どちらも大切だと言ってしまえばそれまでなのですが。あまり優弥が釣手で技を出すイメージはありません。

 

 自分の中学時代を思い出すと、自分も釣手はほとんどといっていいぐらい使えない選手でしたので(できれば両袖を持ってずっと柔道していたいくらい・・・)、やはり引手で最後のキメに持っていくイメージを強く持っていますし、釣手の使い方を知らないので、技の入りや相手の崩しも引手に頼った技だったのだろうと思います。丸岡スポ少の選手たちの後伸びするという実績などを思うと、やはり柔道は釣手が使える選手があとあと大きく飛躍できる選手になるのかな・・・とも最近思います。

 

 持っている釣手をわざわざ離し、ばねを使うことなく体の大きさ等を利用する形での無理な巻き込み、一本背負投げ、また、機能しない形だけの奥襟など、自分は体格・体力・腕力の面で無理があり、活用することは全くありませんでしたが、大人になってから思うことは、確かに釣手を使わない柔道は楽は楽です。投げの途中で釣手を離して潰れに行く選手の気持ちも痛いほど分かる気がします。また、ある程度の選手が相手だと簡単に勝てちゃったりするんですよね、これが。まさに麻薬です。

 

 しかしそういう過程とか思いとかもあり、次男は中学になって背もかなり伸びて高くなりましたが、前襟を持って釣手を使う柔道を心掛けるよう言っていましたし、前襟を持ってしっかりした技が出せるようになるまでは奥襟は禁止!という話をしてました。美希弥の中学の先生の意向もあると思いましたし、その後はあまりうるさくは言わなくしましたが、美希弥は結局中学時代は最後まで奥襟を持って柔道をすることは見たことがありませんでした。まあ中学時代をそのような意識で柔道してきて、そして引退した今、美希弥が果たして釣手をしっかり使える柔道を身に付けているかといえばまだまだですが、しかし、しっかり立って最後まで両手を持ったままで投げ切る意識はある程度ついていると思っています。

 

 泉弥などはもっと典型的で、釣手の使い方は悲しくなるほど下手なのですが、そのくせ釣手がしっかり持てないと何もできない選手になっています。今までの負けた試合を見ても、しっかり持った柔道で完全に実力負けしている試合も多いですが、釣手が持てず柔道をさせてもらえずにに負けた試合もそれ以上に多いです。

 

 今、丸岡スポ少出身で、地元中学にいるある選手のことが気になっています。もともと恵まれた手足の長い体格に、力もあり、イケイケな柔道も行いメキメキ強くなってきている選手です。もともと腕力や体幹の力もあるので、ある程度は強くなるのは分かっていましたし、その成果も今現在確実に出ています。中学になり体も出来てきて、小学生時代に勝てなかった選手にも、今なら余裕で勝つしょう。しかし今のスタイルでは、勝てる試合はけっこう簡単に、そして豪快に勝てますが、逆に自分より強い(パワーの面のみでも)と思われる選手には別人のようなあっさりした負け方になることもあります。僕はその子の試合を見て、まさにその原因は今回のブログの内容の通りではないかと思っています。今、簡単に勝ててしまう柔道にあまり頼りすぎると、自分より大きな選手、力の強い選手、そして大一番の競った試合で勝てない選手になってしまいかねない危うさを感じました。自分がそうだったように、中学時代で必ず行き詰って手詰まりになってしまう怖さを感じます。自分はまさに釣手が使えない柔道、引手を必要としない柔道だったからです。

 

 今はまだ大事な時期ではありません。中学での勝負の時はまだ1年・2年後です。焦らずもう一度自分の柔道を見直し、先生方のお話をしっかり聞いて頑張ってもらいたい。ポテンシャル的には十分に県チャンプを賭けて勝負できる力があります。そのポテンシャルを出し切るためにも、今勝てる柔道、楽に投げれてしまう技(釣手)に頼り過ぎず、基本に忠実な技の習得に力を入れてもらいたいです。

 

 まあいろいろ思うところを書きましたが、引手、釣手どちらにせよ、やはり少年時代の意識の持ち方が今後の柔道に大きく影響してくることだけは確かなようです。釣手をしっかり意識し、相手を高い位置で豪快に投げる柔道は、見ていてやはりカッコいいですし、子供達には、柔道をする以上はやっぱり豪快な一本というものを目指して頑張ってもらいたいと思います。そのうえで、技のキレとスピード、そしてキメの美しさを増してくれる引手もしっかり最後まで引き切る技を目指していってもらいたいと思います。

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コメント

指導者としてとても興味のある内容でした。
自分達もどちらかというと釣手の使い方を重視して指導しています。
手首を上手に使える選手になるため組み合った柔道を推奨し、組んだ状態で自分の組み手を作る指導を心がけています。
もちろん引き手も大事ですが、引き手で引っ張るというイメージを強く持ちすぎると相手も反応するので引き手は空間をつくる手という間隔で教えていますね~。その子その子のタイプがあり全部が全部同じような指導にはならないですが、どちらかといえば釣手重視だと思います。
Y章なんかはまさにお手本ですね。また、Y弥なんかも上手だと思いますよ。大内のときの釣手の使い方なんかは抜群です!!

投稿: 赤ペン | 2013年10月17日 (木) 10時36分

赤ペン先生、勉強になるお話しをありがとうございます!

今思うと自分の中学の先生は、すぐに潰れに行ってしまい最後まで投げに行こうとしない自分に、引き手を引いて最後まで投げ切る意識を教えたかったのかも?と理解するようになりました。

理に適った技というのは、なかなか体得には至りませんし、自分にはどのようなものなのかすら見えませんが、例えば自分が目を輝かせて見ていた憧れのオリンピックチャンピオンの豪快な一本、間近でもY章の素晴らしい技やF島のI藤兄の大内刈りなど、見る者を魅了する柔道本来の美しい技は本当に魅力的です。

今まさに柔道を志す子供たち、是非そういう美しい柔道を目指して頑張ってもらいたいと思います(^^)

投稿: 柔道3兄妹の父、裕 | 2013年10月17日 (木) 14時00分

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